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《映画を撮る行為23》カネ

役者は素晴らしい。その手ごたえはリハーサルを通じてヒシヒシと伝わって来た。

しかし、上が駄目だ。くだらない要求をしてくる。
なんかを減らせという要求だ。
要求の真意を尋ねると、画の意味を聞いてくる。
画の意味を説明するとカネが無いという。結局、それだろ?最初からそう言えっていう話しだ。
工夫という発想が無いとは言わない。しかし、かなり乏しい。
しかも、全て、後出しじゃんけんで言ってくる。
「すみません、このシーン、もう少し何とかなりませんか?」
ここまではいい。

昨日は
「すみません。このシーンの立ち回り、もう少しテキトーでもいいんじゃないですか?コメディですもん」

「はあ?」
まさに「はあ?」である。


この期に及んでテキトーという言葉を吐いたPを、俺はこのプロジェクトが始まって依頼、初めて怒鳴った。
コメディ=テキトーという発想。そういう奴が映画を作るこの空虚さ。
当然、そんなものは跳ね除ける。
断固として跳ね除ける。

俺の仕事は演出だ。しかし、このまま行けば役者を守るという事もやらなければならなそうだ。

大丈夫。とりあえず最後まで頑張る。
by ricayaa | 2008-06-25 11:58 | 映画で愛を知った


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