家の中にはまだみていないDVDが何枚かあって、その中の1枚”シリアルキラー アイリーン”を見た。
ドキュメント映画は製作者の絶対的な主観が必要だと思う。偏ろうが何しようが、ひとつの答えを映像で表明し立証していくのが面白いわけで、中道に立って答えをお客に委ねるのは卑怯だしかったるい。
この映画では死刑制度というものをテーマのひとつに掲げている。監督のニックは絶対的な反対派だ。しかし、7人の男を殺したアイリーンは死にたがっている。この、意識のズレが、むしろ映画を面白くしていたように思う。
死刑の前日に行われたインタヴューは圧巻で鬼気迫ったが、俺からしてみたら、ただの頭のおかしいおばちゃんにしか見えなかったし、引越しおばさんと変わらないと思った。
また、死刑が何故、駄目なのかという主張も説得力がなかったし、映画の途中で死刑のない州のほうが犯罪が少ないといっていたけど、その根拠にも触れていないのが残念だった。